人力宇宙船と船長の紹介
この宇宙船は「飛んでもない、宇宙船」です。飛ばないどころか地上に山積みされた廃材のかたまりのような掘っ立て小屋です。
1968年にひょんなことから、風に吹かれて舞い上がった私は、生まれ故郷の東京の西のほうから、八ヶ岳南麓のこの小さな村のはづれの崖のうえに吹き飛ばされてきたのです。最初はホームレスのブルーシート小屋に近いものを、ふきさらしの田んぼの中に作って住んでました。
夏の炎天下もさることながら、冬の八ヶ岳おろしの寒さはすざまじいもので、寝袋に入り、その上にふとんを何枚かけてもだめ。
あとはひたすら妄想をかきたて、南国の日ざしにまどろむ空想の宇宙をさまようことで、やっと寝付ける夜々をすごしました。
もともと素質があったうえに、これが習い性となり、妄想、幻想、空想、幻覚、倒錯などなどに感覚をゆだね、想像の時空を、また広大な宇宙をさまよいながら、美術作品創造の世界を楽しんでおります。
無限にひろがる高原の星空のもと、文字どうり大地にねざした掘っ立て小屋であればこそ、その内部空間は宇宙に直結した幻想にみちあふれているのです。
小屋の闇の中、わたしの空想エンジンに着火すると、幻想ロケットは発射され、しだいに速度をあげたちまち光速を超えて、果て知れぬ迷妄の宇宙にさまよい出て行くのです。
それをもって「人力宇宙船」と称しておるしだいです。











