2005年06月30日
事故
事故
はるか彼方で音がして、四つの星の距離間が、はっきり分かるように見えた。それですべてが終わりだった。
投稿者 kuntaro : 19:22 | コメント (0)
預言者
預言者
未来がはっきりと、よーく視えた。あまりはっきり視えるので、預言者は昼夜の別なく未来をみつづけた。すると、いつか、あたりに生き物の気配はなくなり、荒涼とした死の大地の広がりの中を、預言者はただ一人、とぼとぼと歩いていった。
投稿者 kuntaro : 19:05 | コメント (1)
2005年06月29日
自転車
彼は小さな折りたたみ自転車にのってメキシコに行った。
公園にいると、こどもが「乗らせてくれ」といったので、公園ひと回り乗らせてやった。
たちまち乗りたいこども達の行列ができた。中にパチョ・ビラのような、いかついひげのおじさんが、恥ずかしそうに、肩をすぼめて並んでいた。
おじさんの番がきたとき、おじさんは「ここは、メヒコだぜ」と言って自転車にまたがった。
投稿者 kuntaro : 00:44 | コメント (1)
2005年06月28日
首
恐怖の極限で男は走った。目も見えず、音も聞こえなかった。
何かに突き当たって男はたおれた。倒れた男は首がなかった。
首はあとから飛んできて、男のからだにくっついた。
男は、ゆっくり気絶した。
投稿者 kuntaro : 22:57 | コメント (0)
ニンゲン
一種類の邪悪ないきものが、異常に繁殖して地上を覆った。
その中で、「邪悪でないのは一匹だけだ」と、誰もが思った。
かれらの言語では、一匹と書いて「わたし」と発音した。
投稿者 kuntaro : 13:02 | コメント (2)
がまがえる
家のぬれ縁に座って庭をみていたら、大きながまがえるが植え込みの中から出てきた。がまはゆっくり歩いて、目の前に来ると立ち止まって、おれをみた。おれは「こんにちは」と声をかけた。
がまはうなずいて立ち去った。女房がきたので、「がまは人間の言葉が分かるぞ」と、おれがいうと「そんなばかな」と女房がいった。
その時またがまがきた。
こんどは二匹だった。
おれが又「こんにちは」というと、二匹目のがまが「あっ、本当だ」といった。